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記事№5 インプラント治療について

最近世間を騒がせている、インプラント治療について書いてみました。

まずは基礎知識としてインプラント治療とはどういうものなのかをこちらからご覧下さい。

→インプラント治療とはこういうものです。

お読みになって、だいたいのイメージはご理解されましたでしょうか?
その上でインプラント治療の利点、欠点についてお話しします。

【利点】

1.歯の根(インプラント)があるので、非常に自然の歯に近く、噛む力は天然歯の80%程度回復
することが出来る。したがって、ある程度固いものを噛むことが出来るようになり、自然の歯に
近い機能が期待できる。 また、失った歯の数が多い場合にも咀嚼能力を回復できる。

2..天然歯のように顎の骨に固定するので、自分の歯と同じような感覚で良く噛むことができ、ふだん、口の中の事を忘れてしまう程、違和感がない。また、この「良く噛む」ということで、食べ物の味や感触が良くかるようになるのと同時に、消化を助け、全身的な健康にも良い影響を与える。

3..天然の歯ではないので、虫歯になることはない。

4..日々の手入れが簡単。(通常のハミガキと同様に磨けばOK)

5..適切に手入れをし、定期的なメインテナンスを受けることによって、長持ちも可能。

6..正しい治療をすれば、成功率も決して低いことはない。

7..信頼できるインプラントは、長期間の調査で、安全性も確認されている。

8..従来のブリッジと違い、周りの歯を削らなくてもすむ。

9..天然の歯との区別が難しいほど自然な仕上がりにできる。

10.インプラントがあごの骨に力を加えることによって、あごの骨が痩せるのを防ぎ、噛み合
わせの長期安定を保つことに貢献できる。

11.1歯欠損から全歯欠損まで対応可能です。(顎の骨の状態にもよる。)

12..入れ歯やブリッジと違い、口の中に違和感や不快感が残ったりしない。

【欠点】

1.インプラントを顎の骨に埋め込む手術(歯をぬくのと同程度の手術)が必要で、手術に対して
恐いというイメージがある。

2..重症な全身疾患(心臓病や強度の糖尿病等)がある場合や、妊娠中の方には治療できない場合がある。また、年齢的に顎の骨が完成する20歳未満であったり、お口の衛生状態の悪い方は手術が出来ない場合があったり、骨の量や密度が十分でない方は別途外科的な処置が必要な場合がある。

3.歯科医師の総合診断力と正しい治療技術が必要とされます。

4.正しい治療には、非常に手間と時間がかかる。

5.インプラントは異物なので、もし万が一、異常が出れば早めに撤去しなければならない。
(ただし 、正しい治療を受ければその確率は非常に小さくはなる。)

6.自然の歯と同じく、歯周病には弱いので、長持ちさせるためには、十分な口腔衛生の管理
と、定期検査が必要になる。したがって、ブラッシングがうまくできずお口の中の衛生状態を
きれいに保てない方には薦められない。

7.歯を失ってから長い時間が経過すると、骨がやせ過ぎて、できなくなってしまう事がある。

8.上顎、下顎ともに、数ヶ月という比較的長期間の歯科治療期間が必要となる。ただし、治療期間中には仮歯を使用することが出来る。

9.現在のところ健康保険がきかない。したがって、自由診療となるため、比較的費用がかかる。

10.インプラントを行っている歯科医院がまだそれほど多くはない。

11.患者さんにとって充分な情報がまだまだ少ない。

いかがでしょうか。インプラント治療の概要はおわかりになりましたか?

今回の豊橋のインプラント使い回しの事件は、歯科医療従事者側から見ると、通常では考えられないあるまじきものであって、問題外のあまり参考にはならないものではありますが、特にインプラント治療を受けた患者さんにとっては心配されている方も多いと予想されます。

ただ上にも書いたとおり、インプラント治療は、しっかりとした治療で、成功すれば確かに義歯やブリッジといった従来からある治療に比べ優れた点も多い治療であることに間違いはありません。但し、治療技術水準の維持、怠ることのできない研鑽や治療を行うための環境整備、その他メインテナンスの問題等かなり難しい問題も多く現在当医院ではインプラント治療は行っておりません。

それでも希望される患者さんには、当医院の方針として、基本的に信頼が置け、大切な患者さんを託すことが可能な医療機関である大学病院を中心に他の医療機関を紹介する形をとっておりますのでどうぞ遠慮なくご相談下さい。

  • 予約、お問い合わせは0257-21-4151 診療予約