記事№16 歯周病で認知症悪化
久しぶりのトピックス投稿となります。
ホームページのリニューアルなどで更新が滞っていました。
さて、先月、名古屋大学の道川誠教授らの研究チームが、歯周病が
認知症の一種、アルツハイマー病を悪化させることをマウスの実験で
明らかにし、日本歯周病学会で発表しました。
道川教授によると、歯周病とアルツハイマー病との関係はこれまで
科学的に研究されておらず、「歯周病の治療により、認知症の進行
を遅らせられる可能性が出てきた。」としています。
その実験は以下のようなものです。
名大大学院と国立長寿医療研究センターの研究チームは、人工的に
アルツハイマー病に罹患させたマウスを用意し、2グループに分けて、
一方だけを歯周病菌に感染させました。
これらのマウスを箱に入れて球や、三角錐の物体を2つ見せた後、
そのうちの1つを置き換えて反応を調べると、歯周病のないマウス
は、新しく置いた物体に頻繁に近づきますが、歯周病を併発したマウス
は、反応が変わりませんでした。道川教授によると、認知機能が低下
し、最初に見た物体の形を忘れているため、新しい物体に興味を示さ
なかったということです。
実験後にマウスの脳を調べると、歯周病菌に感染してからの4ヶ月
間で、記憶をつかさどる海馬にアルツハイマー病の原因となるタンパク
質が沈着し、歯周病のマウスの方が、面積で約2.5倍、量で約1.5
倍に増加していたということです。歯周病が引き起こした炎症が脳に
伝わり、アルツハイマー病を悪化させたとみられています。
歯周病菌が全身的な疾患に影響を及ぼすことは次第に解明されてきて
おり、今回の研究でも改めてそれが確認されたということです。
全身に影響を及ぼす前に、早めに歯周病は発見して、早めに治療を
しておく必要があるということがおわかりいただけたでしょうか?
歯周病が気になる方は、早めに歯科医師のチェックを受けて下さい。